あがり症 克服

あがり症とは

 あがり症の克服法について考える前に、まずあがり症とはどのような症状なのかを調べてみることにしましょう。

 

 あがり症とは、医学的に説明すると、血液中のノルアドレナリン値が上昇して起こる現象です。
 ノルアドレナリンというのは神経伝達物質のひとつで、覚醒や興奮に関係しています。人間は緊張や不安などの精神的ストレスを感じると、ノルアドレナリンを分泌して自律神経の交感神経を活性化します。

 この働きにより、心拍数・体温・血圧が急上昇します。これは、脳や体の隅々の細胞に酸素を行き渡らせ、瞬発的な能力を高めるといった体の防衛本能の表れなわけですが、これが過剰になってしまうことで、動悸や発汗、震えなどが起こり、いわゆる「あがる」という状態に達してしまいやすいのが「あがり症」といわれる症状なのです。

「あがる」のは人として正常な反応

 「あがり」という現象は誰にでも起こる正常な反応です。しかし、他の人より交感神経が過敏に過ぎて、過剰に反応してしまうケースを特に「あがり症」というわけです。
 あがり症というのは、病気ではなく、症状や現象といった言葉で表される部類のものになります。そのため、あがりのレベルがどの程度で「あがり症」となるのかというのは客観的な判断基準はなく、本人があがり症であると思えば、あがり症なのです。

あがり症の種類

 あがり症とは、緊張に伴う症状ですが緊張の種類にもいろいろあります。

 

 例えば、発言を求められた場合にあがる人は多いですが、この場合でも、何人かの人が順番に発言をする場面で順番を待っているときに感じる緊張と、授業中にいきなり当てられたといった突然の発言を求められる場合に感じる緊張は、医学的にも異なる緊張になります。

 

 専門的に言えば、順番を待つときに感じる緊張は「条件恐怖」といい、突然に指名されるときの緊張は「無条件恐怖」といいます。条件恐怖と無条件恐怖では神経伝達物質の作用が異なっているそうです。

あがり症は思い込みの要素が大きい

 条件恐怖、無条件恐怖という分類はできるものの、依然として、あがり症というのは自覚によるものであるというのが正確であると思われます。
 あがり症とは人前で発言などの行動をするなど、緊張を伴う行動の際に「発言がうまくできない」、「汗をかく」などの現象が出て「あがっているな」と周囲に思われることですが、それ以上に、自分自身が「あがり症である」という自覚によって、それらの現象を助長させていると言えるのではないでしょうか。